骨董市歴5年の私が、これまでの経験で「買ってよかった!」と心から思える掘り出し物と、「あー、やっちゃった…」という失敗談を正直にお話しします。骨董市って、本当に一期一会の世界なんですよね。あの時買っておけばよかったと後悔することもあれば、よく分からないまま買ったものが後で宝物になることもある。
骨董市の醍醐味は、専門知識がなくても直感で「いいな」と思ったものが、実は素晴らしい品物だったという発見の喜びにあります。
最初は東京の大江戸骨董市から始まって、今では月に2〜3回は骨董市に足を運んでいます。高いものから安いものまで、成功も失敗もたくさん経験してきました。これから骨董市デビューを考えている方や、まだ始めたばかりの方の参考になれば嬉しいです。
この記事のポイント
・実際に購入した掘り出し物の体験談がわかる
・骨董市でやってしまいがちな失敗例がわかる
・失敗から学んだ賢い買い物術がわかる
骨董市で買ってよかった掘り出し物3選

・500円の古伊万里小皿が実は江戸時代の逸品だった話
・大江戸骨董市で見つけた昭和レトロガラス瓶の魅力
・1000円の古い茶碗が茶道教室で大活躍している件
500円の古伊万里小皿が実は江戸時代の逸品だった話
これは私が骨董市を始めて2年目の春のことです。護国寺の骨董市で、なんとなく手に取った小さな皿がありました。白地に青い絵付けが施された、直径12センチほどの可愛らしいお皿。特に目を引くような派手さはないけれど、なんだか品があって優しい印象だったんです。
お店のおじさんに「これいくらですか?」と聞いたら、「500円でいいよ」とのこと。正直、その時は古伊万里とか全然分からなくて、ただ「お茶うけの和菓子を載せたら素敵かも」という軽い気持ちで購入しました。
家に帰ってよく見ると、裏に小さく「大明年製」と書いてあるんです。なんとなく気になってネットで調べてみたら…なんと、これが江戸時代中期の古伊万里だったんです!500円で買った小皿が、実は数万円の価値がある江戸時代の古伊万里だったと分かった時の驚きは、今でも忘れられません。
後で古美術に詳しい友人に見てもらったところ、「これは確実に本物。状態も良いし、3〜5万円はするよ」と言われて本当に驚きました。今でも大切に使っていて、来客時のお菓子皿として活躍しています。
この経験で学んだのは、値段と価値は必ずしも一致しないということ。そして、自分の直感を信じることの大切さです。知識がなくても「なんかいいな」と思った感覚が、案外正しかったりするんですよね。
大江戸骨董市で見つけた昭和レトロガラス瓶の魅力

大江戸骨董市って確かに高いものも多いんですが、探せば手頃な掘り出し物もあるんです。去年の秋、いつものように大江戸骨董市をぶらぶらしていた時のこと。あるお店の片隅に、昭和30年代頃のガラス瓶がいくつか並んでいました。
その中に、薄いグリーンのガラス瓶があったんです。なんの変哲もない普通のガラス瓶なんですが、よく見ると底の部分に小さく「森永牛乳」の文字が。昔の牛乳瓶だったんですね。形もとても可愛くて、透明感のある薄いグリーンが本当に美しかった。
値段を聞くと800円。迷わず購入しました。昭和レトロのガラス瓶は、花瓶として使うと本当に素敵で、一輪挿しにするだけで部屋の雰囲気がガラッと変わります。
今では我が家のリビングで一輪挿しとして大活躍。季節の花を一本挿すだけで、とても趣のある空間になります。特に桜の一枝を挿した時の美しさといったら…友人たちからも「それどこで買ったの?」とよく聞かれます。
昭和レトロって最近人気だし、同じようなガラス瓶をアンティークショップで見かけたら3000円くらいしていました。骨董市ならではの価格だったと思います。普段使いできるものを骨董市で見つけると、なんだか得した気分になりますよね。
1000円の古い茶碗が茶道教室で大活躍している件
茶道を始めたのがきっかけで、茶道具にも興味を持つようになりました。でも、正式な茶道具って本当に高いんですよね。初心者の私には手が出ないものばかり。そんな時、川越の骨董市で出会ったのがこの茶碗でした。
見た目は決して派手ではない、茶色っぽい素朴な茶碗。でも手に取ってみると、なんとも言えない温かみがあって、重さも手に馴染む感じがしたんです。作者の銘も何もないし、きっと名もない職人さんが作ったものだと思うのですが、それがかえって親しみやすさを感じさせました。
「これ、茶道で使えそうですか?」と恐る恐る聞いてみたら、お店の方が「ああ、これは良い土物だね。茶道にピッタリだよ」と教えてくれました。値段は1000円。専門店なら数万円する茶碗も、骨董市なら1000円で手に入ることがあり、初心者でも気軽に茶道具を揃えることができます。
茶道教室に持参したところ、先生から「いい茶碗ですね。土の感じといい、形といい、お茶を美味しく見せてくれそうです」とお褒めの言葉をいただきました。実際に使ってみると、お茶の温度も適度に手に伝わってきて、本当に使いやすいんです。
この茶碗のおかげで茶道への興味も深まり、今では月2回の茶道教室が楽しみになりました。高価な道具でなくても、心を込めて選んだものなら、きっと愛着も湧くし、長く大切に使えるんだなと実感しています。
骨董市で失敗したモノ3選と学んだこと

・「安い!」と飛びついた偽物の九谷焼での痛い経験
・衝動買いした大きすぎる花瓶が今も押入れに眠る話
・骨董市での失敗から学んだ賢い買い物術
「安い!」と飛びついた偽物の九谷焼での痛い経験
骨董市を始めたばかりの頃の、今思い出しても恥ずかしい失敗談です。ある地方の骨董市で、九谷焼の大皿を見つけたんです。金彩が施された豪華な絵付けで、「九谷」の印もしっかり入っている。本物なら数十万円はしそうな立派な皿でした。
ところが値段を聞いてびっくり。なんと5000円だというんです。「えっ、本当にこの値段でいいんですか?」と何度も確認してしまいました。店主さんは「処分価格だから」と説明してくれて、私は「これは掘り出し物だ!」と大興奮。迷わず購入しました。
家に帰って改めて眺めていると、なんだか違和感が…。安すぎる骨董品には必ず理由があり、「掘り出し物だ!」と興奮する前に、冷静に品物を観察することが大切だったと後悔しています。
後日、知り合いの古美術に詳しい方に見ていただいたところ、現代の量産品だと判明。確かに九谷焼の技法で作られているものの、昭和後期から平成にかけて作られた観光土産品レベルのものだったんです。5000円でも高い買い物でした。
この失敗で学んだのは、「安い=お得」ではないということ。本当に価値のあるものが安く売られていることもありますが、安いものには安いなりの理由があることが多いです。特に初心者のうちは、価格に惑わされず、まずは品物をじっくり観察することが大切だと痛感しました。
衝動買いした大きすぎる花瓶が今も押入れに眠る話

これは昨年の話なんですが、大江戸骨董市で素敵な花瓶を見つけたんです。高さ40センチほどの立派な花瓶で、濃いブルーの釉薬がとても美しく、一目見て気に入ってしまいました。値段は8000円。決して安くはないけれど、この美しさなら納得の価格だと思いました。
その場で購入を決めて、意気揚々と家に持ち帰ったのですが…現実は甘くありませんでした。我が家のリビングに置いてみると、圧倒的に大きすぎる!6畳のリビングには完全に不釣り合いで、存在感がありすぎて部屋のバランスが崩れてしまったんです。
それでも最初は「花を活ければ素敵になるはず」と頑張って使おうとしました。でも、この大きさに見合う花を用意するのが大変だし、骨董市では美しさに魅力を感じて購入しても、実際の生活空間に合うかどうかも重要で、衝動的な購入は後悔の元になりがちです。
結局、現在はその花瓶は押入れで眠っています。時々取り出しては「やっぱり素敵だな」と思うのですが、置く場所がないのでまた押入れに戻すという繰り返し。もったいないことをしたなと反省しています。
この経験から学んだのは、どんなに美しい品物でも、自分の生活空間に合うかどうかを考えてから購入することの大切さです。骨董市では「今買わないと二度と出会えない」という気持ちになりがちですが、一度冷静になって考える時間も必要だと思います。
骨董市での失敗から学んだ賢い買い物術
これまでの成功と失敗を通じて、骨董市での賢い買い物術を身につけることができました。同じような失敗をする人が少しでも減ればいいなと思って、私なりのコツをお伝えします。
まず大切なのは、予算を決めてから行くこと。骨董市って本当に魅力的なものがたくさんあって、ついつい予算オーバーしがちなんです。今日は5000円まで、今月は1万円までなど、明確な上限を決めておくと安心です。
次に、一度見て気に入ったものは、一旦その場を離れてみること。他の店舗も回ってから、最後にもう一度戻ってみる。それでもまだ欲しいと思ったら購入するという方法です。意外と冷静になると「やっぱりいいかな」と思うことも多いんです。
使い道を具体的にイメージすることも重要です。「これを買ったら、どこに置いて、どんな風に使うか」を具体的に想像してみる。骨董品は美しさだけでなく実用性も考慮し、実際の生活の中でどう活用するかをイメージしてから購入すると、満足度の高い買い物ができます。
そして、分からないことは素直に聞くこと。出店者の方は本当に詳しい方が多いので、作者のこと、時代のこと、使い方のことなど、遠慮せずに質問してみてください。親切に教えてくれる方がほとんどです。
最後に、失敗を恐れすぎないこと。私も今回紹介したような失敗をたくさんしてきましたが、それも含めて骨董市の楽しさだと思っています。完璧な買い物を目指すより、その時その時の出会いを楽しむ気持ちが大切だと感じています。
骨董市は本当に奥深い世界です。2025年も東京をはじめ各地で素敵な骨董市が開催される予定ですから、ぜひ皆さんも自分なりの掘り出し物を見つけてくださいね。
重要:骨董品の購入は自己責任です。高額な商品については専門家の意見も参考にしてください。
参考記事
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骨董市マナー完全ガイド!初心者が知っておくべき作法と楽しみ方
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